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執筆者の写真S.A.L. 広報局

【S.A.L.イベント】「あいだを縫う」展示作品制作者へインタビュー!

更新日:2022年3月7日


イベント開催まであと1日!

イベントで展示される作品の制作者である坂田海馬にインタビューを行いました!



どのようなことがイベント開催のきっかけになったのですか?


「個人と個人が分断され、社会という存在が見えづらくなっている」これを、イベントの問題意識としています。

「自己責任」という言葉は、問題の責任の所在を、個人に求める傾向を強めていると思います。たとえその問題が、社会によって引き起こされていたとしても。「個人が悪い」という風潮が、現代社会において人々が感じている息苦しさに繋がっているのではないかと。

そうした現状に対して、社会の存在や個人の繋がりを可視化することが求められている。

社会を構成する一員として、個人に行動を促すことができるのなら、小さいことでも意味があると信じています。



現代社会を生きる当事者としてどのような行動が重要だと思いますか?


昨今、僕らが社会問題について考えるハードルは高くなっていると感じています。社会問題と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。環境問題、移民問題、差別。難しく感じる人も多いのではないでしょうか。焦点を更に絞ってみてはどうでしょう。例えば、コロナ禍で寂しさを抱える人は増えているでしょう。こうした個人的な問題も社会問題として捉えてみてください。社会を構成するのは、個人ひとりひとりであるからです。

個人的な問題が社会問題でもあり、政治問題でもあると認識すれば、政治参加のハードルも下がるのではないでしょうか。




撮影や作品づくりにあたって、どのようなことを意識して取り組んだのでしょうか?


今回、”イベントのため”に撮影したつもりはないです。カメラを初めて手にしたのは中学3年生のとき。ドイツへの留学を経て、写真撮ることが更に好きになっていました。大学に入学するまでは、単純に綺麗な景色を撮影することが多かったですが、大学に入学してから趣向は変わっていきました。写真家の写真を見るようになったからかもしれないです。特に影響を受けた写真家をあげるならば、スティーブン・ショアです。彼の作品は芸術的な面からの評価を多くされている一方、写真を通して社会に対する問題意識を含む作品となっています。

微力だとしても、自分の写真がそういった面で影響を与えたいと考えていいます。

自分は、今も毎日カメラ持ち歩いて、日々写真を撮るようにしています。歩いている間も常にフレームを考えているんです。

日々撮りためている写真をイベントに際して、文脈に即して並び変えることで、一つの作品として完成させました。




制作にあたって気を付けていることはありますか?


写真を撮る上で大切なことは、色んな場所に自ら赴くことだと思います。S.A.L.という学生団体も、現地に行って、国際問題の渦中に生きている人と会って、国際問題をいろんな媒体を使って表現していくことが魅力であると思っています。

写真はその場所に自分で足を運ばないと撮れない。どんなに写真を撮る価値があっても、それをフレームに収める人がいないと、写真として残らない。カメラ片手に10km以上歩く日もある。フレームを考えて、街を歩いていく。

雑多な街で、見落とされている断片にレンズを向けることを意識しています。

また、現場主義を大切にしているS.A.L.はジャーナリズムと深い関係があると言えるでしょう。ジャーナリズムは、必ずしも現地の現実全てを映し出すものではありません。映されるものは撮る人の観点に依存しています。つまり、ある程度"切り取り"がなされる。こうしたことを意識して制作しました。



イベントに来てくださる来場者の方にどのようなことを伝えたいですか?


イベント会場を一種の"社会"として捉えてほしいです。

また、イベントを開催するにあたり、自分自身の意見を一方的に押し付蹴ることはしたくないんです。むしろ、来場してくれた方々も意見を放ち、相互的な関係が構築されることでイベントの成立に繋がると考えています。

来場してくれた方には、イベントの最後のブースで、自らの意見を発信してもらいたいですね。


コロナ禍において、対面のイベントの開催は難しいことであることは承知しています。ただ、対面活動ならではの良さも知っています。偶然性のあるコミュニケーション、台本通りでないところの楽しさは、オンラインの活動では起こりえないでしょう。

イベント会場にいる人々との偶然的な出会いや対話を楽しんでもらえたら嬉しいです。




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