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【森林と共に生きる】ブッダゲストハウス

日本は国土の67%が森林で、世界2位3位を争う森林大国。


旧石器時代から現代まで、人々はこの恵みを受けながら暮らしや文化を築き、発展してきた。美しい水の源であり、動植物の多様性保全や、二酸化炭素の吸収、そして災害を防ぐなど、恩恵は尽きない。


そんな中、日本の森林の4割を占める人工林を管理し、安全に保ってきた国内林業は、各地で衰退が指摘される。この森林の荒廃は日本の社会問題と言えるが、多くの人がこの事実を知らないでいる。

高層ビルが建ち並ぶ街。ボタンひとつでなんでも買える時代。

私たちはその基盤にある大事な存在を、気づかぬうちに蔑ろにしてはいないだろうか。


森林と共に生きる7人へのインタビューから、森林を想う。




ブッダゲストハウス 口熊野

 ブッダゲストハウスは熊野古道の入り口である和歌山県田辺市、 R紀伊田辺駅より徒歩4分の民泊である。城下町田辺で商家であ った町屋を改装。南紀を訪れる旅人のベースとして開店された。 築60年の木造の母家の柱は歪み、床は軋むが、その風情がなん ともちょうど良い。雑多に並ぶ、さまざまな土地の置き物と、さ まざまな言語の本から、ここを訪れてきた人々の痕跡を感じられ る。


オーナーの方

 田辺市の生まれ育ち。高校卒業後から20年東京で過ごしたが、地 元にUターンしたんだそう。熊野古道が世界遺産に登録され、外 国人の観光客も増え始めた18年前に、友人の空き家を使ってブッ ダハウスを始めた。祖父から受け継いだ山を持ち、地元の友人ら は農業に従事する。 たまたま利用した私たちの旅の目的が林業を学ぶことだと聞き、 「あんなん残されても困るぞ」と、典型的な山主の現状を語り、 森林への考えをお話しくださった。



ー現在、 山はどのように管理されているんですか。


 自分の実家のすぐ近くにも山があるんですけど。自分の山や友達の山が、いわゆる飲料水の水源地なんですよ。 そこはさすがに知らない人には売れないっちゅうかね。集落の人が何人かで持っているんだけど。どうすんだろう。 みんな木を切るのかな。 どこも同じような感じ。60年前とか、70年前に植えたんかね。 僕のおじいさんなんか、 もう亡くなっ てるからね。


切る っ て言 っ たらどこかにお願いしなきゃならない。 だけど、 みんな高齢化だから。 あんまり赤字になるんだっ たら、 息子の代に置いとくのもどうかという問題がある。 それはみんなに同じような感じ。 大きく持 っ てる人は良いけど、 みんな山も飛び地で持 っ て いて、 1箇所にそれほど面積あるわけでもないし。 自分の山はこ っ から、 40キ ロぐらい離れてんのかな。 こう点在してるんでなんか難しいんですよね。 しかもあるにしても、 全部山丸ごとじゃない。 昔、 雑木林 っ て いうか、 自然を切 っ て、 植えたんですよね。 あんなん残されても困るぞ。


ー今なんかは、 じゃあ、 手入れとかでど っ かが入 っ てるとかはないですか?


 もね、 あのー、 ある程度ね、 規模がで っ かくなっ たんで、 うん、 や っ てない っ すね。 ただね、 その植えた時あるじゃないですか、 もうそれも多分何十年も前なんであります 。 毛がち っ ちゃくて、 ある程度お っ きくなるまでは枝打ち っ てうとか、 間抜をや っ てもら っ たみたい。 その当時でももうそういう時期があ っ て、 まあそうだな、 でももう30年ぐらいは何もや っ てないですね。 まあ、 ただ、 たまに行くんだけど、 その、 そんなに、 だから、 なんつうのかな。 もう大きい木は大きいし、 その間になんか中途半端なやつはあるんだけども、 まあ、 そんな中途半端なのも、 そんな大きくはならないから、 や っ ぱ初めの間抜とか、 してたからね、 まあ小ちゃ い木はたくさん入 っ てるけどね。 うん、あと、 まあ、 ゴ ミとか枝とかそういうのはまあ散らか っ てますけど、 普通にまあ、 林道を歩けるようになっ てんのかな。 何年か前に行 っ たんだけど、 もうそういうのば っ かりです 。



ー現在は周辺のところとかは入 っ て切 っ て いたりしますか?


 ああ、 してない っ すね、 うん、 もう本当ひどいな、 僕んとこは1番まともかな。 僕の同級生も農業や っ てんだけど、 全然行かないですよ。 すぐ近所なのに畑や っ てみかんとかも作 っ てんのに山はもう何にもしてない。 もうひどい っ て いうこともあ っ て、 まあ、 それはもう本当ね。 結局ね、 飲料水の水源地なんで、 あもう役割としてね、 木も植えたんだけど、 もう、 まあ場所がこういう場所だから、うん、 まあ、 結局自然に戻 っ てく っ ちゃ戻 っ てくかもしんないですね。 もう本当に、 この辺だっ たらね。 なんか、 クヌギとか。 うん、 あと桃とか、 そういうの っ て本当は昔から生えてた。


 でも例えば、 梅 っ て、 山の斜面とかにこう梅を植えてるんですよね、 この辺産地なんで。 すると、 やっ ぱりね、 もう高いとこ っ て年取 っ てくると、 皆収穫できなくなるんですよ。 で、 もうそういうとこも結局放棄しちゃ っ て、 もう放置されて、 まあ梅の木を切る人もいるし、 そのままの時もあるんだけど、 梅の木もね、 や っ ぱりね、 肥料あげないと、 うん、 もうすぐ弱くなっ ちゃ っ て、 最終的に枯れちゃうんすよ。 何年かで、 で、 まあ、 そうなっ てきたら、 もうその同じ場所にはまたそういう自然にすぐ戻ります 。 うんまあ、 100年も経 っ たら、 本当にもう前と同じようになるんじゃないかな、うん、 もうそういうとこはい っ ぱいありますよ。


ーあと、 切 っ て人工林にしたりとかもあるんですか


 そうそう。 それもそう、 もうダメですからね。 うん、 そうそう。


ー今、 お持ちの土地とか っ て いうのは、 や っ ぱ戦後ぐらい の時期から持 っ て いるものなんですか。

 

 そうそうだね、 うん、 戦後のですね。 結局、 あの今と一緒で マ ン シ ョ ン買うのと同じように投資なんすよ、 半分は。 だから、 結局うちのじいさんなんかも、 結局そのまま投資、 その当時で、あの高く売れる。 ええ、 それがまあ、 何年後かに自分の子供とか孫が、 まあ、 あの大きくなっ て家建てる時にそう木も使えるし、 売ることもできるし、 山売ることができるようで。 まあ、 そういうことなんですよ。 みんなや っ てたんで、 田舎の人たちがね、 あの、その時のうんだから、 戦後ちょ っとぐらいしてからかな。 昭和30年から40年とかだと思いますよ。 ほぼほぼみんな同じような気がする。 うん、 うちの近所なんかはね、 多分だから、 まあ、 親戚とか近所の人たちで山行 っ て線引いて買 っ たと思うんすけどね。 どうしようもないんだよね、 僕らもね、 うん、 なんか聞くんだけど、 もう丸ごと売 っ ちゃ っ た方がい いんじゃない の。


 だっ て、 あんなの残されても、っていうことがね。 うん、もう植林がすごいし、 うん、 まああれ自然のね。 水源中はまあそれはね、 切 っ た後、そういうどんぐりとかね。 保水できるようなうん、 木があれば1番い いんですけどね。 うん、 色々ね。 あと、 もう畑にしたと、 そのその雨降 っ た時に保水できないでしょう。 や っ ぱり最近ほら大雨すごいでしょう。 10年前すごいあ っ たんすよ。 でも、 そういう場所結構もう表層崩壊でザーって、 もうあの根ごとわー っ と山崩れたりとかで人死んじゃ っ たりとかね、 結構ね、 大変でしたよ。






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