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熊川稚児鹿舞

大熊町には、古くから町民に親しまれてきた伝統芸能がたくさんあります。その中でも特に有名なのが、町の無形文化財にも指定されている「熊川稚児鹿舞」です。


熊川稚児鹿舞は、200年以上前の江戸時代から、主に大熊町熊川地区の男児が受け継いできた伝統芸能です。かつてこの地域が凶作や疫病に見舞われた際、熊川地区の諏訪神社に「鹿」に扮した舞を奉納したことがその由来とされ、震災前までは諏訪神社の境内で鹿舞が舞われていました。戦時中も中止されることなく開催され、長年にわたり地域の人々を結びつけてきました。

今年8月いわき市新舞子浜で披露された熊川稚児鹿舞の様子


稚児鹿舞は、舞方・シシコと呼ばれる踊り手と、笛や太鼓などを演奏する囃子(はやし)方によって行われます。踊り手には、鹿役が四名と野猿役が一名おり、囃子方の唄と太鼓や笛の音に合わせて舞を披露します。踊り手は4年から6年ほど務めると次の世代と交代し、舞の指導を行います。こうして200年以上もの間、伝統の舞が受け継がれてきたのです。


しかし、震災後の避難生活によって熊川地区の住民は散り散りになり、稚児鹿舞は一次中断を余儀なくされました。それでも、地元の小学生や保存会の努力もあり、2014年の夏に震災後初めて稚児鹿舞が披露されました。現在でも、熊川地区に縁のある家庭の子供たちが踊り手として舞の指導を受けており、伝統の鹿舞はたしかに受け継がれています。





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