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【HearToプロジェクト】#6「自分の『想い』を仕事に重ねて」杉原さんが送る学生へのメッセージ

更新日:4月29日

聞き手:曽根京香、阿部翔太郎

記事編集:阿部翔太郎


新型コロナウイルスによって、私たちの学生生活は大きな影響を受けた。

感染の収束が見通せず、将来に対する不安や焦燥感を募らせる学生は少なくないだろう。かく言う私たち自身も、そうした学生の一人だ。


だが、私たち自身もそんな不安や焦燥感に苛まれる当事者であるからこそできることがあるのではないか。そんな想いから、この企画では実際に社会の様々な分野で活躍する社会人の方々に『ターニングポイント』をテーマにインタビューを行い、重要な決断の瞬間や、当時の想い、葛藤に迫っていくことで、学生の自己実現を支えるヒントを探っていく。



インタビュイー様は前回に引き続き、ワタミや複数の外食ベンチャーを渡り歩き、現在は株式会社麺食で活躍されている杉原伸次さん


前回までの記事(以下にリンク)では、事前に作成していただいたモチベーショングラフに沿って、杉原さんのこれまでの人生についてお伺いした。今回は、インタビューの中で杉原さんから頂いた、学生に向けたメッセージを中心にお届けする。これまで様々な会社で活躍されてきた杉原さんは、学生の就職や自己実現についてどのようなことをお話しして下さるのだろうか。


<前回までの記事>

#4 「僕のやりたいことは、人のために働くことだ」

#5 「一つでも多くの”ありがとう”を集めたい」



【「会社はあくまで『手段』」 杉原さんの語る、就職の意義】


多くの学生が就職活動に一年近くを費やすにも関わらず、日本の新卒3年以内の離職率は30%にのぼると言われている。そんな近年の就活事情について、杉原さんはこんなことをお話しして下さった。


「そもそも就職活動や会社に入るということは、『目的』じゃなくてあくまでも『手段』なんです。それなのに、いつの間にか会社に入ることが『目的』になってしまって、本当の『目的』や自分の持っている『想い』がないがしろになっている人が多いと思います」


「実際、学生時代に素敵な『想い』を持って活動していたという人でも、社会に出たらその『想い』とは全く関係のない仕事に就いている人が大多数だと思います。でも僕は、そういった素敵な『想い』があったのなら、社会人になってもその『想い』を諦めず、ぜひそれを仕事に重ねて欲しいと思うんです


【「『想い』を仕事に」は難しいことじゃない。そんな会社が確かにここにある】


「『想い』を仕事に重ねろと言われると、そんなの難しいと感じるかもしれませんが、そんなことありません。実際に僕の会社は、『食を通じた気持ちの温もり』を伝えるという『想い』が理念になっていて、その『想い』に基づいてみんな仕事をしています」


杉原さんがおっしゃるように、杉原さんの勤める株式会社麺食は、『気持ちの温もり』を伝えるために様々な活動をしている。その中の一つが、児童養護施設の子供たちを招待しての食事会だ。


様々な事情があってなかなかお店でラーメンを食べられないという子供たちに、どうにか笑顔になってもらいたいと純粋に思ったんです。

どうしたら子どもたちに来てもらえるかな?と考えた結果、直接そうした子供たちの元を訪れて『ラーメン出したいんだけど来てくれますか』と言ってみました。それがきっかけで半年に一回、食事会を開催するようになったんです」


「その活動をした時に、麺食の創業者である中原会長が僕のところに来て『スギ(杉原さんのこと)、俺こんなことやりたかったんだよ。ありがとう』って頭を下げてくれたんです。30人の子供たちのためにその日の営業をやめて、無料でラーメンを振る舞うことに対して、創業者が『ありがとう』って言うんですよ。その言葉を聞いて、僕は麺食って本当に素敵な会社だなと思いました」


「だから学生に伝えたいです。そんな風に『想い』を大切にしてる会社はちゃんとあるんです。絶対にあります




【45歳にしてやりたいことはたくさん。だから人生は楽しい】


「ただ就職の実情について言うと、正直、外食産業や介護という業界に進みたいという人はあまり多くはないです。でも本来は、自分の『想い』を成し遂げるための『手段』として会社を選ぶんだから、外食も介護も関係ないんです。本当に大事なのは、どの業界に入るかではなく、自分のやりたいことができるかどうかのはずですから」


「僕は今年で45歳になりますけれど、やりたいことはとてもたくさんあります。まずは、先ほども言ったように子供たちにラーメンを出してあげることです」


「他にも、世界の恵まれない国の子供たちのためのNPO法人や、日本で働く外国人のフォローをするための人材会社、さらには焼き鳥屋も立ち上げたいと考えています。これだけやりたいことがあれば、人生楽しいですよ。当然、モチベーショングラフも上に向かって行きます


NPO、人材会社、焼き鳥屋という杉原さんの三つのビジョンは、一見するとバラバラのように思える。しかしそれらはいずれも、『一つでも多くのありがとうを集める』という杉原さんの『想い』を形にするための『手段』なのだと言う。そうした強い『想い』が根底にあるからこそ、様々な『手段』が考えられるのだろう。


【目標や夢が何回修正されても構わない。これからも素敵な人生は続いていくから】


――麺食でのお仕事は、杉原さんがやりたいとおっしゃっていたNPOや人材会社、焼き鳥屋にどのように繋がっているのでしょうか。


「正直に言うと、この会社のメインの事業であるラーメン業態と、僕がやりたいと思ってることは関係ないんですよ。それでも、僕が人材会社をやりたいと言ったら、うちの会社は喜んで『やれやれ!』と言ってくれるんです」


「だから、この会社でラーメン業態を広げていくことは『目的』じゃなくて、僕の『想い』を形にするための一つの『手段』なんです。学生の皆さんも、自分の『想い』や『目的』をよく考えて、その実現に繋がる会社、自分のやりたいことをやらせてくれる会社を探してみて欲しいと思います。」



――これからもやりたいことの実現のために、全力で向かって行こうと考えているのですか?


「もちろんです。さらに言うと、きっと僕はこれから先も、新たなやりたいことをどんどん考えつくと思うんです。でもそれが楽しいし、それこそが人生だと思います」


「僕は目標や夢が何回修正されたって、全く構わないと思ってるんです。これまでの私もそうでした。一番最初の夢は金持ちになりたいだったのに、今では『ありがとうを集めること』になってますからね。僕はそんな自分の人生が素敵だなと思っています。もちろんこれからも、もっと素敵になりますよ



【杉原さんが今、学生に一番伝えたいこととは?】


――最後に改めて、将来設計に悩んでる学生に対してアドバイスを頂いてもよろしいでしょうか?


「繰り返しになりますが、就職活動や社会に出るということは『目的』じゃないということを一番に伝えたいですね。それはあくまでも『手段』ですから、学生の皆さんには本当の『目的』をよくよく考えてみて欲しいと思います」


「例えば僕の場合は、ワタミを退職する時まで完全に社長になることが『目的』になっていました。でもワタミを退職する時に、本当の『目的』は『一つでも多くのありがとうを集める』ことだと気づいて、社長になることがそのための『手段』に変わったんです。皆さんも、自分の本当の『目的』を突き詰めて考えるようにして欲しいです」


「ぼんやりとした目標もなく、『福利厚生がいい』、『給料がいい』といった理由で会社を選ぶ人が多いかもしれないけど、そうじゃないと思うんです。人間性の向上や、自分の夢や目標を叶えるといった自己実現の『手段』として、会社を選んで欲しいと思っています」


「会社のために働くとか、会社に貢献するとかは別に考えなくても良いんですよ。自分のやりたいことや目標を何より大事にして欲しいです。その上で自分の目標と会社の目標が一致すれば、それはすごい幸せだと思います学生の皆さんには、そんな会社を探して欲しいなと思います」


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自分の『目的』や『想い』を大切にして、それを叶えてくれる会社を『手段』として選ぶ。そうして自分の「『想い』を仕事に重ねる」。

そんな杉原さんのお話を聞き、私自身もつい会社に入ることを就職活動における『目的』に据えてしまっていたことに気づかされた。『自分が本当にやりたいことは何か』、その問いに向き合い続け、それを形にするための努力を惜しまずに悔いのない人生を送りたい。そう強く感じたインタビューだった。


新型コロナの感染拡大が続き、多くの学生が将来に対する不安を募らせている。今回のインタビューは、そんな社会状況を踏まえ、学生の自己実現を支えるヒントを提供するという目的で行われた。杉原さんがお話ししてくださった、自分の『想い』を大切にするという意識は、まさに将来に対する不安を抱く多くの学生にとって、自分の将来設計を考える上での貴重な道標になるのではないだろうか。先行きが不透明な状況は続くが、この記事が一人でも多くの学生の自己実現の助けになればと思う。


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【インタビュイー:杉原伸次さん】

大学卒業後、ワタミに14年間勤められた後退職。その後外食ベンチャー企業数社を経て、現在の株式会社麺食に入社する。麺食入社後は、ラーメンチェーン『喜多方ラーメン坂内』の新規開店に携わりつつ、児童養護施設の子供たちとの食事会など、『気持ちの温もり』を伝えるための活動にも精力的に取り組んでいる。

麺食で働く人のオモイを伝える『麺食way』

杉原伸次さんのプロフィールページ


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