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【HearToプロジェクト】#18 第2章 学生起業家 一柳翠さん|学生の持つ視点をビジネスにどう活かしていくのか|

2021年春にスタートアップした株式会社ネクストエージは、社会人と学生が混在するという斬新な試みにより成功を収めた希少な例と言えるだろう。取締役社長を務める一柳さんにとって、「学生社長」という特殊性はどのような意味を持つのだろうか。



【学業と仕事を両立させるために】

――SDGsに関する事業を進めていくにあたって、大変だったことはありましたか。


「何度も壁にぶつかったことはあります。私も大学生なので、社会に出るのが初めてでした。なので、社会人の方とお話しするのも初めての経験だったのですが、学生の持つ考えは社会人の方からしたらすごく意外なアイデアだったりするみたいなんです。そこをどう上手くマッチングさせるか、ということを意識しながらやってきました。」

学生ならではの視点を持つことを大事にされている一柳さん。ネクストエージでは、経営にも学生が加わることで幅広い事業を展開している。そんな一柳さんに、学業と仕事の両立について伺った。

「うちは大学生が活躍する会社ですが、もちろん学業もおざなりにしないというのは意識しています。本当に大事なことに時間をかける。仕事をしていても本質的ではない部分ってありますよね。その必要ない時間をできるだけ減らして、自分たちの理念に沿った活動に力を入れる。限られた時間をどのように使うかということは意識しています。」

――学業と両立する中で、すぐにやらなければならない課題に追われることもあると思うのですが、その際はどのように連携を取られているのでしょうか。

「確かに。テスト期間など学業が忙しい時もあるので、そこはお互い助け合うようにしています。忙しい時期は別の人に代わってもらったり、逆に私が忙しい時は『ちょっとお願いします』と伝えたり、そういうチーム間の連携は結構密にとってると思います。」

――なるほど。学生が多いからこその助け合いですね。その一方で、実際にビジネスの現場に出たとき、大学生だからこそぶつかる壁のようなものを感じたことはありましたか。

「そうですね。最初は名刺交換とかも初めてで、ものすごく緊張しました。初めての経験が本当に多くて、それは今思い返すとすごく大きな経験や学びになっていると感じます。最初はやっぱり『なんでこんなに失敗ばっかりしちゃうんだろう』という葛藤がありました。だけど色々やっていく中で大人の人にもサポートしてもらいながら、ちょっとずつ成長して、ここまで来れたっていう感じですね。」

一柳さんは、大学生として会社を経営することに難しさを感じながらも、学生であることの利点を最大限に活かして活動を進めてきたのである。



【学生ならではの視点】

――ネクストエージのホームページを拝見したところ、ユニークな商品がたくさん見受けられました。このような革新的なアイデアは、どのような発想や考え方から生まれているのでしょうか。

学生だけで起業している会社や社会人だけで構成されている会社が一般的な中で、ネクストエージでは学生と社会人が混在している点が特徴だと思っています。私たちは本当にいい意味で社会人と学生が対等なんです。」

「企画を出すときでも、私がああでもないこうでもないみたいなことを言って、大人の目線と若者の目線どっちも取り入れるということは結構意識しています。」

――なるほど。それはネクストエージならではのことですよね。

「そうですね、どっちかだけではだめだと思っています。大学生やZ世代の考えってすごく斬新なアイデアとか言われたりするんですけど、それだけでは持続可能な形にならないんです。社会人としての経験を積んできた大人のシビアで、ビジネス的に見てちゃんと成り立つかどうかという目線と学生の目線、どっちも使うという感じですかね。」

――一柳さんは現役の大学生という私たちと同じような立場でいらっしゃると思うのですが、ネクストエージの社長を務めたことのアドバンテージにはどのようなものがありますか。

「社長をやっていなかった時の自分とやっている時の自分を比べたら、本当にたくさんのものを得ることができたと思います。実際に大企業のSDGs担当の役員の方とお話しさせていただく経験があったり、社会に出るとSDGsがどのように見られているのかを知ったり。生の現場を見て、社会の声を色々聞くことができました。私は3月末で社長を卒業しますが、その後の活動にも活かせるなと思っています。」



【学生として活動することの強み】

学生団体で活動していた頃から、SDGsについて強い関心を抱いていたという一柳さん。実際に会社を立ち上げてSDGsに関わることで、ビジネスとしても持続可能な形であるSDGsの重要性を認識したそうだ。

もともとSDGsに興味ある方が学生団体や任意の団体、NPO法人などの活動に参加するようになるということはあると思うのですが、SDGsについて全く聞いたことがないという人がその活動を知るのはなかなか難しいと思っています。SDGsがビジネスとしてちゃんと回る形になれば、ビジネスがSDGsに対する入口になりますよね。すると、それをきっかけにSDGsのことをさらに知ってもらって、ゆくゆくは任意団体としてSDGsに関する活動や、より深い活動をする人も増えて欲しいと思うようになりました。」


――我々の学生団体の活動もそんな風に実りがあれば、と思います。

「本当に大事だと思います。学生の思いを伝える力ってすごいんです。私も学生なので、社会に出てから『Z世代』と言われるようになり、それが大人の方たちにかなり響くんだなぁと思っています。だからこそ純粋に思いを伝えるということは、これからも意識していきたいと思います。」



テレビ取材を受ける一柳さん


 学生として社会に飛び出した彼女だからこそ、「Z世代」の力をダイレクトに感じることができたのだろう。社会人の目線と学生のユニークな考え方をマッチングさせながらSDGsをビジネスとして運用することが、ネクストエージの成功のカギだったのだ。

 第3章では、一柳さんの活動の軌跡を具体的に紹介していきたい。ネクストエージはこれまでにどのような活動を行ってきたのか。また、SDGsに関する一柳さんの日ごろの意識や未来の展望など、幅広くお話を伺っていく。


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【インタビュイー:一柳翠さん】

 株式会社ネクストエージ取締役社長。社会人と学生が混在する企業で、ユニークな取り組みを行いながら、持続的な社会の実現のために、日々活躍されている。



【ネクストエージから学生インタビュアー募集のお知らせ】

 サステナブルフロンティアの取材先を探し、記事を書いてくださる大学生ライターを募集しています。

 最新のSDGsテクノロジーを持つ企業を探し、取材をして記事を書いていただきます。

完全成果報酬型(成果報酬の最低金額は1記事につき20000円以上)で、全てオンライン上で行うため、勤務時間、勤務場所は不問です。(1か月の試用期間あり)

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