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【HearToプロジェクト】#19 第3章 サステナブルな活動を未来に繋ぐ|SDGsが当たり前になる世界を目指して|

更新日:3月3日

 前章までは依然として世の中に蔓延る「SDGsに目を向けることは『非営利』であり、経済活動の足かせになるのみ」という古びたテーゼを打破すべく奔走し続ける大学生社長、一柳翠さんの企業の理念や実態、及び成功体験について叙述してきた。


 最終章である本章では、そんな彼女から社会に向けて、そして二の足を踏み続ける大学生達に向けて今伝えたいこととは如何なるものか、一柳さん自身の、又は彼女が取締役社長を務める株式会社ネクストエージの具体的かつ明瞭なエピソードを交えながら、極力一柳さん御自身の言葉をもってお伝えしていく。最後まで楽しみつつ、読者の皆様にも学びと応用可能性を考えながら読んで頂きたい。



【「株式会社ネクストエージの取り組み」ー会社としての踏跡】

 「つねに次世代が主役」のスローガンの下で企業のSDGs経営を推進する総合企画コンサルティング会社である株式会社ネクストエージ。ここではそんな株式会社ネクストエージでの取り組みや歩み、並びにその活動の軌跡について掘り下げていく。


ー-どのような経緯でこの活動を広めてこられたのですか。


「最初は、飲食店でアルバイトをしていて大量に食料を捨てるという現場を見たことがきっかけでした。」

「創業者が会社を設立したのが今年の4月なんですけど、私が取締役に就任したのが(2021年)5月1日付けなので半年ちょっとくらいですかね。」

「創業者が40代の社会人なんですけど、『若い世代にチャンスと経験を提供したい』という想いで、学生と一緒にSDGsを世の中に広める事業をやることになって、それで私も一緒にやることになりました。その後、学生が一人増えて、今大学生二人と社会人一人でやってます。」

「最初はほんとにゼロからだったんですけど、ありがたいことにいろんな企画やっていくなかでまずメディアの方が『面白いねえ』と言ってくださいました。そこから取材受けたりだとかどんどん輪が広がっていって取引先の人も増えたりという感じでここまで来ました。」

「メディアの方に結構注目して頂いていて、対外的な発信というのはネクストエージの知名度を上げることにもつながるし、それがSDGsを知ってもらうきっかけになると考えています。ネクストエージの知名度が上がれば、私たちができることの幅が広がって、社会にとって良いことにつながっていくと考えているので、知名度を上げるために、取材の依頼があったりとか、お問合せにはできるかぎり、積極的に受けさせて頂いています。」

ー-取締役社長として一柳さんが意識していることは何ですか。

「今は啓発・啓蒙の時期だと思っています。『SDGsとはこういうことだよ』『みんなSDGsのこと勉強しましょう』というような活動が増えているじゃないですか。2025年の大阪万博までには、みんながSDGsを知っているのが当たり前の時代になると思います。それから先、2030年までにSDGsという目標をどのように達成していくかとなった時に、例えば節電や、少し値段は高いけどプラスチック以外の製品を使う、というような人びとの想いだけでは達成は難しいと考えています。そこで、啓発の時代の次はテクノロジーの時代が来ると思っています。」

「サステナブルフロンティアというサステナブルなテクノロジーを扱うwebメディアをやっているんですけど、我々は常に社会を先導するというか、少し先を見ていく会社でありたいと思っているので、実際にテクノロジーを広める一番最初の立役者的な存在でありたいです。」

ー-株式会社ネクストエージとしての一連の活動の中で、印象深いものを教えてください。


「弊社の『ENA(イーナ)』というSDGsブランドで『ENAクッキーモルト』という、製造行程で割れたり欠けたりしたクッキーを正規の値段で買い取りビールとしてもう一回生まれ変わらせますよという商品を作り、クラウドファンディングで販売をしました。実際に商品が届いた方から『めっちゃおいしいです』と言って頂く等、本当に沢山の方に応援して頂いたことがめちゃくちゃ印象に残っています。」



(ENAクッキーモルト)


「『SDGsにいいものだから味はちょっと仕方ないか』みたいなことは絶対にしたくなくて、おいしいから飲む、それがSDGsにつながるとか、ラベルのデザインとかも可愛いのにしようとこだわったんです。『なんか可愛い』とかで手に取ったものが実はSDGsにいいものだったとか、それをきっかけにしてほしいなと思っていて、だからこそ、いい取り組みだねっていう声だけじゃなくて、『おいしかったです』っていうのが『あ、めっちゃ自分のやりたいこと伝わっている』と思いました。」

 ここまでのお話から一柳さんの取締役社長としてのぶれない強固な意志を幾度となく見てきた。素晴らしい理念に基づく発想力や実行力に頭下がる思いであると共に、悠長に生きている日頃の自身を顧みて同じ大学生として襟を正す思いである。そんな一柳さんの崇高な理想やそれを行動に移す原動力となっているのは如何なるものか、次節では一柳さん自身のエピソードについて掘り下げていく。



【一柳さん自身の軌跡や思いー彼女を突き動かすものは何か】

ー-株式会社ネクストエージに入る前後で御自身の中で気づいた変化はありますか。


「ネクストエージに入る前に学生団体で大学生7人くらいでチーム作ってフードロスを削減するっていう活動をやっていたんですよ。そこでの活動と比べて会社としてやるというのはまた結構違うなって思っています。学生団体で活動していた時からSDGsに対する思いはすごいあって、最初は思いだけでめちゃくちゃ行動をするみたいなタイプだったんですけど、実際に会社としてSDGsに関わるということで、ビジネスとしても持続可能な形であるSDGsもすごく大事だと感じました。」




(学生団体での活動の様子)


ー-一柳さんの活動の根底にあるものはなんですか。


「ネクストエージで貫いてる理念とか信念みたいなものはやっぱり大学で受けた授業とか、植物すごい好きだなぁみたいな気持ちっていう、ある種ビジネスとは全然別の軸での想いを大事にしながら働いているっていう感じはあります。」


ー-大学ではどんなことをされているのですか。


「学校の活動とか他の活動もやってて、なかなか予定が取れないこともあってダンスのサークルとか入ってるんですけど、あまり行けてなくて」


「勉強の方では(大阪府立大学)理学部で生物の勉強してて、今年の後期から研究室に配属になりました。進化系統学という、生態系を保全するっていうちょっと環境によった部分とか、植物がどうやってここまで進化してきたのか、祖先から分かれていった進化の仕方を調べていったりとか、あるいは外来種が入ってきてどうやって絶滅してしまったのかを研究して、それをこれからの生態系の保全に生かすみたいな勉強をしています。」

ー-SDGsには17個のゴールがありますが、一柳さんが最も緊急性を要すると考えているゴールはありますか。

「前提として17個の項目が全部すごく大事で、社会をもっとより良くしていくっていうのが根本にあって、そのためにSDGsっていう皆さんが1番共通言語として聞いたことがあるワードを使っているっている風に私は捉えてるんですね。SDGsだけでもダメだし、SDGsの中のこれ一個だけでOKっていう訳でもないっていう風には思っています。」

「強いて言うなら、今の社会は大量生産・大量消費・大量廃棄が多く見られますが、普通に言ってしまうとそれと相反するような12番の『作る責任、使う責任』っていう所をやっていきたいなっていうのがあります。というのもネクストエージ自体がSDGsとビジネスを上手いこと両立させるっていうところに凄い力を入れているんですね。」

「大量生産大量消費で余ったものは他に活用するのではなく、丁度いい量を作るという事がどんどんニーズとして求められてきていると思っています。なので、どうやってそのニーズに応えていくかという点が、企業さんが変わっていく点なんだと思っています。」

 ここまで一柳さんの大学生としての思いを沢山伺ってきた。インタビューの様子や大学での学園生活の御話を聞いていると彼女も我々と同じごく普通の大学生であると感じた一方で、自らの問題意識を明確にした上で己の力をもって解決に向けた実行に移すという一連の流れに非常に感銘を受けた。彼女の話から、社会に出たら役に立たないなどとしばしば揶揄されることの多い大学の授業も、無碍にはできないと切に感じた。

 この記事を閲読頂く学生の多くは我々を含めて一定の問題意識を抱えていると思われる。しかし、そんな諸学生と彼女との最たる差異は「考えていることをやるか、やらぬか」という点に帰着すると感じた。そこで彼女から未来を担う同胞へ如何にして実行に移すことが可能になるかという一案としての助言を頂いた。



【SDGsに関わりたいけど二の足を踏んでしまっている大学生へー一柳さんが日頃個人で取り組んでいること】

「私が個人でやってるのは、ほんと些細なことなんですけど、マイバックを持ち歩いたりとか、ペットボトルをなるべく使わない、水筒を持っていくとか、道端でゴミ落ちてたりとか空き缶落ちてたら近くのゴミ箱まで持って行ったりとか。ちっちゃいことをみんながやっていくっていうのは大事なのかなって思ったり。あとは、発信するということで、ほんと簡単なんですけど、SNSとかで、ゴミ拾ったとか、マイバック持ってきてるみたいなんを結構ラフでいいので載せる。」


「めっちゃちゃんとしなあかんっていう発信じゃなくて、ほんとに簡単なものでいいなって思っています。私もすごい雑っていうかポンって普通にSNSあげるみたいな感覚で結構やっています。」


「それを見た同じ世代の大学生の子たちが私もやろうってなったりとか、例えば環境に優しい商品を買いたいって思ってる人がいるっていうメッセージになるなと思っててそういうふうにみんながやっていけば、ちょっとずつだけど社会の流れって変わっていくかなとは思っています。」



 今回の3章に渡る連載の中で読者の皆様はどんなことに思いを馳せ、何を考えられただろうか。今回は大学生ながら企業のSDGs経営コンサルティング会社の取締役社長という重責を担う一柳翠さんに、SDGsをビジネスにすることや学生と社会人の融合による調和や日頃のどんな行いがSDGs普及につながるのかということについてお話を伺った。


 中でも彼女の中にある信念をブラさないという心構えが非常に印象的であった。特に最後の些細な取り組みとして彼女が挙げて下さったものはどれも即刻実行可能なものである。彼女は一人一人の小さな行為の積み重ねがやがて社会を扇動する強大な力となることを切に信じており、何かSDGsのために動きたいけれどSDGs自体が漠然としているが故に何から始めれば良いか分からず右往左往している諸学生にとって大きな後押しや参考になるのではなかろうか。



 末筆ながら、御多忙の中で我々の拙きインタビュー打診への快諾に始まる本記事執筆に全面的に協力して頂いた株式会社ネクストエージ取締役社長の一柳翠さんにはこの場を借りて感謝申し上げます。並びに最後まで閲読して頂いた読者の皆様にも御礼申し上げます。

 全3章に渡る本連載がこれまでSDGsに関心が無かった方のSDGsに対する思いの刷新や、漫然とした問題意識しか抱けずにいた方が何らかの実行に移す事への架け橋とならんことを祈念しつつ、結びの言葉とさせて頂きます。


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【インタビュイー:一柳翠さん】

 株式会社ネクストエージ取締役社長。社会人と学生が混在する企業で、ユニークな取り組みを行いながら、持続的な社会の実現のために、日々活躍されている。



【ネクストエージから学生インタビュアー募集のお知らせ】

サステナブルフロンティアの取材先を探し、記事を書いてくださる大学生ライターを募集しています。

最新のSDGsテクノロジーを持つ企業を探し、取材をして記事を書いていただきます。

完全成果報酬型(成果報酬の最低金額は1記事につき20000円以上)で、全てオンライン上で行うため、勤務時間、勤務場所は不問です。(1か月の試用期間あり)

興味のある方は、お問い合わせフォーム(https://na2030.jp/inquiry/)よりお問い合わせください。



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